研修体系

ニフコでは、グローバルスケールで活躍できる人材の要件/行動指針を「挑戦・変革・未来・協働・克服」をキーワードに明文化しています。従業員育成・研修体系はこうした人材の育成を目的に制定したものであり、従業員の声や時勢を鑑みながら現在進行形で改定・改善を行っています。

それぞれの従業員の状況に応じたさまざまな研修

足並みを揃えて一斉に行われる新入社員研修からグローバル人材の長期的な育成まで、研修体系を整えています。2022年度、人財開発課主催の研修への参加者は、のべ2,936名でした。また、資格取得奨励制度や外部のeラーニング受講費用の補助金制度などにより、自己啓発にも取り組みやすい制度を整えています。

自己申告制度

仕事や職場に対する要望や意見、職種の適性、自身のキャリアデザインなどについて、上長経由で会社に申請できる制度です。従業員により豊かなビジネスライフを歩んでもらうための情報収集として毎年実施しています。この制度を上長とのコミュニケーション促進に役立てるとともに、申告された内容は経営にフィードバックされ、職場環境の改善のほか、人材育成の観点からジョブローテーションにも活用し、必要に応じて人事部門が直接本人に回答する仕組みとなっています。

2023年度研修体系図

変化に対応できる価値創造の人づくり

クリエイティブな人づくりにおいては、時代の変化に対応できる柔軟さが求められています。社員一人ひとりが当事者意識や未来思考を持つことにより、自律と自走を促すことに取り組んでいます。何事も自分事に捉えて、新しいことを学ぶことが通じて自分自身の変化と成長になり、”個々の成長”を通じて組織のアップデートを繰り返すことによって企業価値の向上につながります。自ら問題を探し、自らの裁量で仕事ができるよう育成を行っています。

パーパス・ファスニング活動(パーパスの自分ゴト化)

社員の企画力を高めるプロジェクトの一環として、自己理解を促しやりがいと価値創造力を身につける活動です。個々が自身のパーパス(存在意義)を考え言語化し、会社のパーパス「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」とつなぎ合わせることで、働きがいとありたい姿を見つけます。2022年度は春に名古屋工場で開催、様々な職種の約70名が参加しました。部署の垣根を越えた「横と縦のつながり」が深まる場となっています。今後は本社での開催も行い、つながりを広げていきます。


越境プログラムで、“自分の強み”を磨く

未来を切り拓く人材育成のために越境プログラムを活用しています。「変化を創り出す力」を生み出す様々な気づきを得るためには、観察力や洞察力、コミュニケーション力が求められています。社外に越境し、色々な人の思考や価値観に触れながら、当たり前を疑い、自ら考えて行動し、結果を出し続けることで“自分の強み” に気づき、今後の異業種とのビジネス共創力を磨いていきます。


経営層と越境留学者の座談会

社長及び経営層と越境留学の経験者4名との座談会の取り組みを行っています。人材育成のひとつの手段として、開発本部を中心として導入してきた越境留学制度に対する理解や思考、業務への還元などを肌で感じてもらいました。経営層との対話を通じて、お互いの考えや思いを共有する場となっています。今期からは、全社の越境プログラムとして展開しています。


先が読めないVUCA時代の “企画の力” 育成

これからは、自らが課題を発見することとコミュニケーション力が大切になってきます。そうした潜在ニーズを見つける“小さな気づき”の観察眼と未来思考からの企画力の育成を仲間たちと推進する“関係の質”に力を入れています。他にも発想力、リーダーシップ、コーチング、キャリアデザインなどを学び合っています。一緒に自社の将来を考え、創っていきたいという想いの人材が、この企画力プログラムに参加して、メンバーのつながりと連鎖が起きています。


多摩美術大学×ニフコ 産学共同プロジェクト

多様な視点からの課題発見と新価値創造の取り組みとして、半年間の産学共同プロジェクトを行っております。テーマ「気候変動と暮らし」における移動空間の価値創造を月1回のシェア会を通して、プロダクトデザイン専攻の3年生、6名の学生とニフコチームが一緒になってディスカッションを行いながら、創造していきます。その成果をビジネスモデルやプロダクト作品として発表していく、産学共同プロジェクトです。


神奈川大学×ニフコ 産学共同ビジネスプラン

幅広い視点から、ビジネスモデル、プロダクトを含む新たな価値を企画創出する取り組みです。テーマ「移動空間の価値創造」として、企画とビジネスプランのアウトプットにおけるプロセス体験を経営学部、2年生、30名の学生が7チーム構成で3か月間、全8回を行いました。参加のニフコ社員は、サポーターとして学生へのフィードバックとメンタリングを行い、フラットな視点でディスカッションに参加しました。学生によるビジネスプラン発表を行い、学生とサポーターそれぞれが振返りを行い、様々な学びと気づきから個々の自信と成長につながっています。


ニフコ社員によるモノづくり特別授業(多摩美術大学)

協同研究に参加している社員3人が講師として、特別授業を実施しました。プロダクトデザイン専攻の1年生70名に対して、企業のエンジニアと学生が触れ合う機会提供として、授業テーマ「プラスチック材料からモノをつくる話」を、サンプルを使ってのクイズ形式のワーク、ニフコ製品、射出成型機モデル、透明金型モデルなどのミニ展示会を行いました。学生のみなさん楽しそうに参加して、企業と実際に働いているエンジニアに触れることが出来、たくさんの気づきと学びがあったとの声が多くありました。また、社外講師を行うことで、ニフコの魅力を伝え、学生に教えることにより、個々の自信と成長にもつながっています。


ニフコ社員によるマーケティング特別授業(神奈川大学)

経済学部1~3年生150名に対して、マーケティングの特別授業を実施しました。学生が企業における実際の取り組みを感じることで、ビジネスへの興味関心につながっています。近年では欠かせないソーシャルメディアを活用したオンラインマーケティングや消費者との直接の接点をつくることでコアなファン層を獲得し、認知拡大を狙うオフラインマーケティングの紹介などを行いました。取り組み事例では、“緩まない靴紐”の商品企画でクラウドファンディング、様々なプロモーションツールを活用して、商品ブランディングへ至った内容を紹介しました。この授業を通して、ニフコへの興味と企業ブランディングにも貢献しています。


価値創造としての気づき力を磨く、感性力とデザインを見る力を身に付けるワークショップの開催

あらゆるクリエイティブのスタート地点となる、自分自身の感性的な認識力を呼び覚まし、発想の根本をつくるワークショップと様々な造形の考え方を理解しながらデザインを見る力をつけるワークショップを全8回開催しました。感性力では、描く、鑑賞する、対話する、つくるなどのアート表現を媒介したワークを中心に進めることで、眠っていた知覚をさまざまな方向から刺激します。デザインを見る力を身に付けるワークショップでは、カタチってなんだろう?そんな色々な発想と視点をスケッチワークで描いて学び、ほかの人と全然違った価値観や視点の違いを楽しみながら学びます。感性力とデザインを見る力で価値創造を学び、身につけます。


新入社員向けの “価値創造力” 研修

クリエイティブカンパニーの人づくりの一環として、自らの成長意思による自走力を身につけることを目的としています。8日間の研修を通して、発想力による価値創造の思考とスキル、リーダーシップ、チームビルディング、コミュニケーション力を身につけます。先輩社員のアドバイザーを交えた企画創出プロセスの中で、企画書と手描きアイデア図を作成し、伝わる表現力を身につけ、チームで提案発表を行うことにより自信をつけます。


環境負荷低減の活動を通した商品開発

サステナブルな社会への取り組みとして、商品開発部門では、ライフサイクル全体を通して排出されるCO2排出量を定量的に捉え、低減していく活動を社内生産の製品で実施しています。CO2削減量の算出においては、越境留学プログラムに参画している環境経営支援サービス企業でカーボンニュートラル(CN)に向けた事業企画プロジェクトに参加し、社内を巻き込んだ活動をしています。本活動を通じて、社員がライフサイクルアセスメント(LCA)エキスパートの資格を取得しています。

ライフサイクルアセスメント(LCA)とは

原料となる資源の採取や素材製造、部品製造、製品製造、流通、使用、廃棄に至る製品のライフサイクル全体を通じた、投入資源・エネルギー、排出する環境負荷物物質、及びそれらによる地球や生態系への潜在的な環境影響を定量的に評価する手法


社内SNSコミュニティ “関係の質” で組織を強くする

オンラインで部署を超えたつながりと対話力を高め、他の従業員の「気づき」から、学びと寛容性を促進し、意識や思考を共有するコミュニケーションを活発に行うことで、エンゲージメント向上を図っています。社内と社外の「コミュニティの場」としても活用し、社員の4割に当たる550名が参加、仲間と一緒に共通のゴールを目指す”関係の質” を構築することで、組織強化に取り組んでいます。