基本的な考え方

ニフコは事業活動によって生じるCO2排出量の低減に向けた活動とイノベーションを通して、環境配慮型製品を社会に提供していくことが、ニフコが目指す持続可能な社会への貢献であり、成長戦略と考えています。

ニフコが目指すこと

ニフコは「2050年カーボンニュートラル宣言」のもと、持続可能な社会の実現に向けて以下の取り組みを推進しています。

  • エネルギー使用の合理化
     生産工程におけるロスやムダの削減を徹底し、省エネルギー化を図ります。

  • 再生可能エネルギーの利用促進
     太陽光発電の導入などを通じて、再生可能エネルギーの利用拡大に努めます。

  • 地球環境に配慮した新製品および生産技術の開発
     製品ライフサイクル全体で環境負荷を低減する技術・製品の開発に注力しています。

これらの施策を通じて、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指します。

CO2排出量の集計状況(24年度)

自社排出(Scope1およびScope2)

ニフコおよび国内グループ会社は、事業活動に伴い発生する自社の温室効果ガス排出量を算定し、その結果を公表しています。

サプライチェーン排出(Scope3)

サプライチェーン(Scope3)における排出量については、現時点では国内事業体に限定して算定・開示を行っています。


エネルギー使用の合理化(ロス・ムダ削減)

2023年度省エネ法に基づく定期報告(2024年度提出)において、「事業者クラス分け評価制度」におけるAクラスの評価を取得しました。省エネ法で定められたエネルギー使用量の前年比1%以上低減の努力目標の達成を目指して取り組みを進めていましたが、目標は未達成となりました。引き続き、継続的な改善に取り組んでいきます。


再生可能エネルギーの利用促進

太陽光発電機の導入

ニフコは、再生可能エネルギーの創出に向けて、太陽光発電設備の導入を積極的に推進しています。
名古屋工場においては、2025年度よりオンサイトPPA(電力購入契約)およびオフサイトの自己託送の運用を開始する予定です。これにより、同工場での再生可能エネルギー使用比率を段階的に高め、カーボンニュートラルを早期に実現するモデル工場となることを目指しています。
なお、その他の具体的な指標や目標については、2027年度に策定予定の次期中期経営計画に反映する方針です。

FIT非化石証書によるオフセット

Scope2に対してFIT非化石証書を調達しました。 FIT非化石証書は、再生可能エネルギーなど非化石電源の環境的な価値を証書にしたものです。この調達により、使用電力のCO2排出量をオフセットすることができます。
2024年度はCO2排出量18,429.84トンのうち1,221トンを実質的に削減しました。

  • 本計算は、R7.3.18時点の環境省・経済産業省公表値に基づく。対象は名古屋工場分の証書であり、中部電力の排出係数(0.000421 t-CO₂/kWh)を使用して算出

地球環境に配慮した新製品開発

気候変動を含む環境リスクは、同時にクリーンテックビジネスの機会でもあります。ニフコは、軽量素材高機能樹脂製品を提供し、CO2排出量削減および大気汚染などの環境問題解決に取り組んでいます。
このようにCO2排出量削減・大気汚染防止への取り組みを確実にすることが当社の持続的成長につながる一歩と考えています。環境の変化に対応し、環境の持続可能性を向上させることを目的としたクリーンテックの機会を提供し続けることで、持続可能な環境を次世代につなぐことを目指します。

                        

クリーンテックの機会

環境への貢献

製品名

機能概要

【燃費】
先端材料の開発または流通への関与

金属部品を高機能な樹脂に置換することで軽量化と安全性を両立させ、燃費向上とCO2排出量削減に貢献

エネルギーアブソーバー

・車両衝突時に、車両及び搭乗者の被害を軽減し、安全性を高める衝撃吸収部品
・本製品には、エンジニアリングプラスチックを高靭性化させた先端材料を使用

【燃費】
車体軽量化による、燃費向上

車体軽量化によって燃費向上とCO2排出量削減に貢献

ABSアクチュエーターブラケット

ABSアクチュエーターの金属ブラケットを、日本で初めて樹脂化したことにより、耐熱性と振動耐久性を維持しつつ、約60%の軽量化を実現

【燃費】
車体の走行性能向上による、燃費向上

車体の走行性能(空力抵抗低減)向上によって燃費向上とCO2排出量削減に貢献

フロントスパッツ

車両前方からの風を車両床下やタイヤ方向に流すことによって空気抵抗を低減

ダクトエア

・車両前方からの風が入り込むことでバンパーへの空力抵抗を低減
・吸気した風をホイールアーチから放出することでホイールアーチ内に発生する渦流を防止し空力性能を向上

      

【代替燃料】
燃料電池・水素システムの開発・普及への取り組み

長距離のゼロエミッション走行が可能なFCVの構成部品(パワートレイン)として、大気汚染防止及びCO2排出量削減に貢献

FCV部品
※ FCV(燃料電池自動車)とは、車に搭載した燃料電池からつくられる電気を使い、モーターを回して走行する自動車のこと

水素や空気、発電後に排出される水やFCスタックを冷やす冷却水の経路に使用される部品。またFCスタックに異物を通さないよう、気体の経路内にはニフコフィルターが採用されている。

【アプリケーション】
LED照明の開発・流通への取り組み

       

・CO2の削減に寄与:電球と比較して50%以上の電力削減効果あり
・有害物質を含まない:電球のように不活性ガスが使われていないため、環境負荷がない

ダイナミックLED点灯イルミネーション

搭乗者に様々な状況の情報を視覚的に提示する機能を備えた車内LED点灯イルミネーション

      

【リユース&リサイクリング】
サスティナブル材料を採用したアパレル商品への取り組み

縫製工場で廃棄される繊維を収集し、作られたリサイクル材料を使用することで、バージン材料への依存を制限し、CO2の排出量を削減

コードロック/コードフック

リサイクル材を使用したアパレルウェア向け機能部品

      

【その他】
効率的な環境管理

センサーを設置した環境で測定したデータを活用することで、効率的な環境管理が可能に。

マルチセンサー(3社協業プロジェクト)
3社協業:ニフコ&NTT東日本&丸紅情報システムズ

自己発電型センサーのため、コンセントや電池などからの給電が不要。
搭載機能 : 温度、湿度、照度、加速度(3軸)、コンタクト検知、NFC(近距離無線通信)
※ コンタクト検知= 磁石の接近を検知する機能(ドアの開閉検知で活用)

新製品開発の方向性について

ニフコはこれからも市場トレンドとして不変である「環境」「安全」「快適」分野に開発資源を集中します。
さまざまなマーケットに向け、普遍的価値のある製品を投入することで、安定して継続的に成長する事業領域の構築を図るとともにパーパス「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」を実現するためにも地球環境に配慮した製品を提供し続けていきます。